個人事業主は専従者給与で節税できる②

前回、専従者給与についてご紹介しました。

今回は、注意点や実際どれぐらい節税になるか、など書いていこうと思います。

 

専従者給与を出す場合、事業主の所得税が減るとともに、専従者(奥さん)の所得税が発生することになります。

専従者給与をたくさん出して、事業主の所得税は減ったが、奥さんの所得税が増え、結果的に世帯全体の所得税は同じだった、または逆に増えてしまった、となっては意味がありません。

世帯全体の所得税のバランスを考え、給与金額を決めることが大切です。

 

また、専従者給与を受ける場合は、配偶者控除や扶養控除は受けられなくなりますので、年間38万円未満の専従者給与になるならば、人的控除を受けておく方が良いことになります。

 

年間の給与額を103万円までにおさえておくと、奥さんには所得税は発生しませんから、その分がただ経費となるだけでメリットが大きいと言えます。

月給88,000円未満にすると、毎月の源泉徴収をしなくてもよくなります。

 

また、提出する届出書に記載する金額は、「実際に支払う金額」を示すものではなく、「上限の支払額」を示します。

給料の金額を20万円と記載した場合、20万円までの給与を支払う可能性がある、ということになりますので、月8万円の給与であっても問題ありません。

 

簡単なシミュレーションをしてみます。

1.所得500万円の方が、配偶者控除だけの場合。

500万ー38万(基礎控除)ー38万(配偶者控除)×20%ー427,500円=420,500円

2.所得500万円の方が、専従者給与を96万円出した場合。

500万ー96万(専従者給与)ー38万(基礎控除)×20%ー427,500円=304,500円

節税額が、116,000円となります。

また、住民税にも関係してきますので、さらにメリットは大きくなります。

この例でいくと、住民税の節税額は、約55,000円となりますので、合計の節税額は、17万円程度となります。

 

書類の整理や電話の応対など、簡単な手伝いをしてもらっている奥さんに給与を出すというだけで、これだけの節税になると考えれば、使わないのはもったいないのではないでしょうか。

所得によっては、専従者給与を200万円、300万円と出す方が節税になる場合もあります。

節税額のシミュレーションが必要な方、専従者給与の適用を受けたいという方は、ぜひご相談ください。

 

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